一点気になるとすれば、アンドレアスの領地は、北端がザリロッド王国と接しているというところだろうか。
ザリロッド王国が、アンドレアスに接近しようと思えばやりやすい地だとも思う。
皇帝は、何を考えてアンドレアスにこの地を与えたのだろう。
(陛下といえば……)
前世で皇帝が死亡したのは、レオンティーナが十七の年だ。
そして、当時夫だったアンドレアスが皇帝として即位したことによりレオンティーナもまた皇妃となった。
アンドレアスはレオンティーナには見向きもせず、名ばかりの皇妃ではあったけれど……。
(いえ、そんなことを考えている場合ではなかったわね)
あの頃のことを思い返すと、今でも胸がずきずきとする。過去の自分は、なんて愚かだったのだろう。
今、それを言ってもしかたのないことであるのもまたわかってはいるが、胸が痛むのまではどうしようもない。
思いを振り払うように息をつき、ペンを取り上げた時だった。レオンティーナの座っているテーブルの向かい側に人が立つ。
「……レオンティーナ、また会ったね……まあ、君を探してきたのだけど」
ザリロッド王国が、アンドレアスに接近しようと思えばやりやすい地だとも思う。
皇帝は、何を考えてアンドレアスにこの地を与えたのだろう。
(陛下といえば……)
前世で皇帝が死亡したのは、レオンティーナが十七の年だ。
そして、当時夫だったアンドレアスが皇帝として即位したことによりレオンティーナもまた皇妃となった。
アンドレアスはレオンティーナには見向きもせず、名ばかりの皇妃ではあったけれど……。
(いえ、そんなことを考えている場合ではなかったわね)
あの頃のことを思い返すと、今でも胸がずきずきとする。過去の自分は、なんて愚かだったのだろう。
今、それを言ってもしかたのないことであるのもまたわかってはいるが、胸が痛むのまではどうしようもない。
思いを振り払うように息をつき、ペンを取り上げた時だった。レオンティーナの座っているテーブルの向かい側に人が立つ。
「……レオンティーナ、また会ったね……まあ、君を探してきたのだけど」