悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2

 だから、賢い子にはもっと上級の勉学ができるように。手に職をつけるのが向いている者は、本人の希望と適性のある職につけるように。
 レオンティーナなりにいろいろと調べ、考え、資料をまとめたけれど――会議の場に持ち出すことさえできないでいる。

「俺から父上に進言しても――」
「それではだめですよ。父もそうしてくれると言っていたのですが、それでは、父の影響力や、ヴィルヘルム様との友情を利用していることになってしまいます」

 御前会議において、レオンティーナは新(しん)参(ざん)者(もの)だ。それだけではない。
 御前会議の出席者の中では圧倒的に若く、経験も足りない。たしかに父やヴィルヘルムの力を利用すれば、話は早いだろう。

「でも、それではいつまでも皆さん、私のいうことに耳を傾けてはくれないでしょう。それでは、意味がないと思うんです」

 レオンティーナは自らの功績により爵位を賜(たまわ)った。だが、それはまぐれではなく実力なのだと示していかなくてはならない。
 だから、父やヴィルヘルムの手を借りるべきではないのだ。少なくとも、今は。

「本当に君は――」