悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2

(いつまでも、こうしていられればいいのに)

 広い庭園には、ふたりの邪魔をする者なんていない。
 ヴィルヘルムに手を取られ、ゆっくりと歩くレオンティーナは、この時間がかけがえのないものであることを実感していた。

「最近も、レオンティーナは忙しそうだな。誘おうと思っていたけれど、忙しいのなら邪魔をしても悪いし」
「忙しいと言えば忙しいのですが……御前会議の準備をしていたので。でも、新たに思いついたこともあって、資料に追加しようと思っているところなんです」

 あれから、近隣の子供も養護施設内の学習施設に通わせるだけではなく、養護施設の中に、職業訓練のできる場を設けてはどうかという考えが浮かんだのだ。
 今は、一定の年齢になれば養護施設から出ていき、思い思いの場所に就職する。けれど、選んだ仕事が、予想と違った場合、そこから先転身をはかるのが施設の出身者にとっては難しい。
 また、知能に優れた子もいるのに、教育を受ける機会がないことから、その知能を生かすことができないでいる。
 前世で関りがあったからという理由でレオンティーナに引き取られたソニアは例外中の例外だ。