「殿下。夕食の時間には戻していただけますか。ハイラムが、姉の帰りを首を長くして待っているものですから」
「もちろん。そんなに遅くまで引き留めるようなことはしない」
「では、娘をよろしくお願いします」
ヴィルヘルムに頭を下げ、父はレオンティーナをヴィルヘルムのところに残して立ち去った。父の従(じゅう)僕(ぼく)は一緒に行ったが、レオンティーナ付きのソニアはこの場に残っている。
「本当に、お父上はレオンティーナを大切にしているんだな」
「……幸せなんです、私」
今の気持ちを、どう伝えたらいいのだろう。ヴィルヘルムと一緒に過ごすことのできる時間がとても大切なのだ。
ソニアの方を振り返ったヴィルヘルムは、ソニアにも穏やかな笑みを向けた。
「いつもの場所に、お茶の用意を頼めるかな。少し、レオンティーナと歩いてくる」
「……かしこまりました、ヴィルヘルム様」
本来ソニアはレオンティーナについていなければならないが、ここは皇宮。ヴィルヘルムがついているのであればその限りではない。
ヴィルヘルムとレオンティーナに微笑まし気な目を向け、ソニアはどこかふわふわした様子で立ち去った。
「もちろん。そんなに遅くまで引き留めるようなことはしない」
「では、娘をよろしくお願いします」
ヴィルヘルムに頭を下げ、父はレオンティーナをヴィルヘルムのところに残して立ち去った。父の従(じゅう)僕(ぼく)は一緒に行ったが、レオンティーナ付きのソニアはこの場に残っている。
「本当に、お父上はレオンティーナを大切にしているんだな」
「……幸せなんです、私」
今の気持ちを、どう伝えたらいいのだろう。ヴィルヘルムと一緒に過ごすことのできる時間がとても大切なのだ。
ソニアの方を振り返ったヴィルヘルムは、ソニアにも穏やかな笑みを向けた。
「いつもの場所に、お茶の用意を頼めるかな。少し、レオンティーナと歩いてくる」
「……かしこまりました、ヴィルヘルム様」
本来ソニアはレオンティーナについていなければならないが、ここは皇宮。ヴィルヘルムがついているのであればその限りではない。
ヴィルヘルムとレオンティーナに微笑まし気な目を向け、ソニアはどこかふわふわした様子で立ち去った。



