もう、一人前とみなされているのだ。いつまでも父に頼ってはいられない。自分の力でまずはあがけるところまであがいてみよう。
◇ ◇ ◇
ヴィルヘルムと直接会話をかわす機会に恵まれたのは、御前会議から二日後のことだった。レオンティーナを連れて皇宮を訪れた父を、ヴィルヘルムが呼び止めたのだ。
「バルダート大公、レオンティーナを借りてもいいかな? 今日の午後、時間を取れたので、彼女と話がしたいんだ」
「……お父様、よろしい?」
レオンティーナは期待をこめて父を見上げた。最後にヴィルヘルムと直接話をしたのは、もう二週間も前だ。
御前会議の場で顔を見かけた時、視線と視線は重ねたけれど、それきり。彼と話したいことがたくさんある。
「……もちろん、かまわないとも」
父のレオンティーナを見る目には、慈愛が浮かんでいた。その表情を見る度に、胸がいっぱいになる。
一度目の人生では、父とはろくに会話をすることもなかった。二度目の人生では、家族の仲は良好だ。もう一度“レオンティーナ”として生まれてくることができて本当によかった。
「ありがとう、お父様」
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ヴィルヘルムと直接会話をかわす機会に恵まれたのは、御前会議から二日後のことだった。レオンティーナを連れて皇宮を訪れた父を、ヴィルヘルムが呼び止めたのだ。
「バルダート大公、レオンティーナを借りてもいいかな? 今日の午後、時間を取れたので、彼女と話がしたいんだ」
「……お父様、よろしい?」
レオンティーナは期待をこめて父を見上げた。最後にヴィルヘルムと直接話をしたのは、もう二週間も前だ。
御前会議の場で顔を見かけた時、視線と視線は重ねたけれど、それきり。彼と話したいことがたくさんある。
「……もちろん、かまわないとも」
父のレオンティーナを見る目には、慈愛が浮かんでいた。その表情を見る度に、胸がいっぱいになる。
一度目の人生では、父とはろくに会話をすることもなかった。二度目の人生では、家族の仲は良好だ。もう一度“レオンティーナ”として生まれてくることができて本当によかった。
「ありがとう、お父様」



