悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2

「君は立派だよ。だが、まだ成長途中なんだ。焦る必要はない」
「……でも」
「白状してしまうとね、私に渡してもらえたら優先的に議題に乗せられたと思うよ。私から、他の大公ふたりに見てもらうこともできたからね。三人の大公が賛成しているのであれば、優先的に議題にのせてもらえるよ」

 それは、あまりよくないやり方なのではないだろうか。
 少なくとも、大公家の娘だからこそできるやり方であることは否定できない。そこに父の持つ権力を利用するのは間違っている気がする。

「議題に乗せる価値がないと思えば、他のふたりが却下するさ。けれど、あえて私からは言わなかったんだ。君に、学ぶ機会があってもいいと思ったから。では、私の力に頼らず議題に乗せるにはどうしたらいいだろうね?」

 父の言葉に、レオンティーナは考え込んだ。先に、誰か有力者に見てもらえばいいのだ。その有力者が誰かという問題がまた出てくるけれど。

「わかりました。どうしてもだめだったら、その時にはお父様にお願いしてもいいですか?」
「もちろんだとも」