悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2

 御前会議で議題に上げることができなかった議題も、皇帝に書類を提出すれば見てもらうことはできる。作った資料が無駄にはならないとわかっていても、発言できなかったのが悔しかった。

(……たぶん、事前に根回しをしておかなければいけなかったんだわ)

 廊下で待っていると、次から次に中から人が出てくる。彼らは、レオンティーナを見て、軽く会(え)釈(しゃく)をしてきたり、ひそひそ何かをささやきあったり。

(たぶん、私の存在が目ざわりなのよね……)

 御前会議に出席しているのは、働き盛りの年齢の男性が大半だ。
 それは、会議に参加できる女性の数が純粋に少ないということと、子供は御前会議には参加できないからだった。当主が子供の場合、代理の者を立てることになる。
 そんな中、自ら爵位を持ち、御前会議に乗り込んできたレオンティーナは成人したばかりである。レオンティーナの出席は、生意気にも見えるだろう。

(……今度は、もっと準備をしてこないと)

 そう胸の内で誓った時だった。

「――やはり、御前会議は重荷だったのではないでしょうか」
「若い女性には、厳しかったかもしれませんね」