「俺も、きちんと調べているから。君ひとりの肩に重荷を載せたりしない。本来、君だけで背負うべき荷でもないだろう」
「……それは、わかっています」
ヴィルヘルムとの関係は、もどかしい。気持ちのままに突き進むことができたなら、苦労はないのだ。
皇帝の息子と大公家の娘。ふたりが結ばれるのは当然のようにも考えられるけれど、他の大公家やその他貴族の思惑もある。なかなか思うようにはならない。
「私……あなたのことが好きです。大切なんです」
「今、そんなことを言うなんて。君は、どうしたら、俺の機嫌を直すことができるのかよく知っているんだな」
照れたように、ヴィルヘルムが笑う。
「そんなつもりはなかったのですけど」
レオンティーナが顔を上げると、ヴィルヘルムの手が顎にかけられる。今度のキスは、いつもどおりの甘くて優しいものだった。
ヴィルヘルムと広間に戻った時には、会場は大いに盛り上がっていた。
(……ファブリス陛下と……ルイーザ様……?)
壁際に控えたレオンティーナは目を見張った。人々の輪の中央にいるのが、ファブリスとルイーザだったからだ。
「……それは、わかっています」
ヴィルヘルムとの関係は、もどかしい。気持ちのままに突き進むことができたなら、苦労はないのだ。
皇帝の息子と大公家の娘。ふたりが結ばれるのは当然のようにも考えられるけれど、他の大公家やその他貴族の思惑もある。なかなか思うようにはならない。
「私……あなたのことが好きです。大切なんです」
「今、そんなことを言うなんて。君は、どうしたら、俺の機嫌を直すことができるのかよく知っているんだな」
照れたように、ヴィルヘルムが笑う。
「そんなつもりはなかったのですけど」
レオンティーナが顔を上げると、ヴィルヘルムの手が顎にかけられる。今度のキスは、いつもどおりの甘くて優しいものだった。
ヴィルヘルムと広間に戻った時には、会場は大いに盛り上がっていた。
(……ファブリス陛下と……ルイーザ様……?)
壁際に控えたレオンティーナは目を見張った。人々の輪の中央にいるのが、ファブリスとルイーザだったからだ。



