「そういう意味じゃありません!」
「それは、わかっているけれど」
「私……夢にとらわれすぎでしょうか?」
ヴィルヘルムの腕の中は、レオンティーナを安心させてくれる。ヴィルヘルムの肩に頭を預けたら、「そうだな」と頭の上から声が落ちてきた。
「正直、そればかりに囚われるのは危険だと思う。君の夢と、現実は大きく違っているわけだから」
でも、とレオンティーナは心の中で反論する。人の心なんて、簡単に変わらないと思う。彼の野心は、まだ残っているのではないだろうか。
ファブリスは、最終的にこの国を飲み込んだのだろう。それを知る機会はないが、あの時の状況から判断するとそうなのだろうと思えてならない。
(もし……彼の野望が、前世と変わっていなかったら?)
その不安は常に付きまとうのだ。
記憶が戻ってから七年。
レオンティーナは、最悪の状況を回避すべく、全力で努力を重ねてきた。その努力は今のところ実っているし、今以上を願うのが間違いだというのもわかる。
(……でも)
そう思っているのはレオンティーナだけ。確信があっても、証拠はない。
「それは、わかっているけれど」
「私……夢にとらわれすぎでしょうか?」
ヴィルヘルムの腕の中は、レオンティーナを安心させてくれる。ヴィルヘルムの肩に頭を預けたら、「そうだな」と頭の上から声が落ちてきた。
「正直、そればかりに囚われるのは危険だと思う。君の夢と、現実は大きく違っているわけだから」
でも、とレオンティーナは心の中で反論する。人の心なんて、簡単に変わらないと思う。彼の野心は、まだ残っているのではないだろうか。
ファブリスは、最終的にこの国を飲み込んだのだろう。それを知る機会はないが、あの時の状況から判断するとそうなのだろうと思えてならない。
(もし……彼の野望が、前世と変わっていなかったら?)
その不安は常に付きまとうのだ。
記憶が戻ってから七年。
レオンティーナは、最悪の状況を回避すべく、全力で努力を重ねてきた。その努力は今のところ実っているし、今以上を願うのが間違いだというのもわかる。
(……でも)
そう思っているのはレオンティーナだけ。確信があっても、証拠はない。



