前回の人生同様、ヴィルヘルムはファブリスに好意を覚えた。彼が、ファブリスと親しくなるのは不安だけれど、レオンティーナがどうこう言えることでもない。
「そうですか……でも、夢と全部同じというわけでもありませんものね。ヴィルヘルム様のなさりたいように――」
そこまで言いかけて、レオンティーナの言葉は中断を余儀なくされた。ヴィルヘルムの唇が、レオンティーナのそれをふさいでいたから。
あまりにも自然に、あまりにも不意だったから、慌てふためいてしまった。
「ヴィルヘルム様……! な、何を」
唇が離された隙に抗議の声を上げたけれど、その抗議もまた口づけに封じられる。
もちろん、今までにヴィルヘルムとは何度も口づけをかわしている。
けれど、こんな奪うように痛みを覚えるほど強く口づけられたことなどなく、彼が別人のようにも感じられた。
「――ごめん」
息が苦しくなって、ヴィルヘルムの背中を叩いたら、ようやく解放された。肩で息をつくと、今度は壊れ物を扱うように大切に抱え込まれる。
「君が、他の男の話をするのを聞いていたら、なんだかもやもやした」
「そうですか……でも、夢と全部同じというわけでもありませんものね。ヴィルヘルム様のなさりたいように――」
そこまで言いかけて、レオンティーナの言葉は中断を余儀なくされた。ヴィルヘルムの唇が、レオンティーナのそれをふさいでいたから。
あまりにも自然に、あまりにも不意だったから、慌てふためいてしまった。
「ヴィルヘルム様……! な、何を」
唇が離された隙に抗議の声を上げたけれど、その抗議もまた口づけに封じられる。
もちろん、今までにヴィルヘルムとは何度も口づけをかわしている。
けれど、こんな奪うように痛みを覚えるほど強く口づけられたことなどなく、彼が別人のようにも感じられた。
「――ごめん」
息が苦しくなって、ヴィルヘルムの背中を叩いたら、ようやく解放された。肩で息をつくと、今度は壊れ物を扱うように大切に抱え込まれる。
「君が、他の男の話をするのを聞いていたら、なんだかもやもやした」



