悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2

「君は、夢の中の彼と、今、この広間にいる彼しか知らないだろう。俺達は昨日夕食を共にしたんだが、軍にいたということもあって、遠征した先での出来事をいろいろと話してくれた。それだけではなく、歴史上の問題についてギルベルトと語り合っていたな」
「……え?」

 あのファブリスが、歴史に詳しいなんて全然知らなかった。しかも、ギルベルトと語り合うことができるほどに詳しいということは、相当勉強したのだろう。

「なんでも、遠征した先で遺跡を見学したり、昔の人が使っていた品を拾ったりすることがあって、どうしてこれがここにあるのだろうと考えるのが楽しいと言っていたな」
「……そうなんですね」

 前回の人生でも、今回の人生でも、そんな話は聞いたことがなかった。だが、今まで彼についてはさほど詳しく知っていたわけではない。

「それで、剣も強い。ギルベルトは憧れの目で見ていたし、ユリウスは剣を教えてくれとねだっていたな。ルイーザも興味を引かれたようだった――俺も、友になれたらいいと思った」

 やっぱり――と思う。