首を横に振る。遠目に見ても、彼に恐怖を覚えた。直接対峙したら、どうなってしまうのかわからない。
「なぜ、君が彼を気にかけるんだ?」
「……夢の話をしましたよね? あの夢の中で、彼はヴィルヘルム様ととても親しかったのです」
強いまなざしで見られて、黙っていられずしぶしぶ重い口を開いた。
一度目の人生、ヴィルヘルムは荒れる国内をどうにかしようと苦心していた。
ファブリスは、正式に王族と認められていなかったから、軍に入って訓練していた。彼の語る戦場での話や、国を守ろうとした苦労話などが、ヴィルヘルムにとっては大きな憧れだったのだろう。
そんな中、ヴィルヘルムに近づいたのが、王宮に迎え入れられる前のファブリスだ。
直接その場を見たことがあるわけではないから噂でしかないのだが、ヴィルヘルムは、兄のようにファブリスを慕っていたらしい。
ヴィルヘルムは、彼を友人として慕っていたけれど、ファブリスは違っていた。
「なぜ、君が彼を気にかけるんだ?」
「……夢の話をしましたよね? あの夢の中で、彼はヴィルヘルム様ととても親しかったのです」
強いまなざしで見られて、黙っていられずしぶしぶ重い口を開いた。
一度目の人生、ヴィルヘルムは荒れる国内をどうにかしようと苦心していた。
ファブリスは、正式に王族と認められていなかったから、軍に入って訓練していた。彼の語る戦場での話や、国を守ろうとした苦労話などが、ヴィルヘルムにとっては大きな憧れだったのだろう。
そんな中、ヴィルヘルムに近づいたのが、王宮に迎え入れられる前のファブリスだ。
直接その場を見たことがあるわけではないから噂でしかないのだが、ヴィルヘルムは、兄のようにファブリスを慕っていたらしい。
ヴィルヘルムは、彼を友人として慕っていたけれど、ファブリスは違っていた。



