ヴィルヘルムの時とは明らかに違う。それなのに、心臓はドキドキとしっぱなしだ。うつむいたまま、胸に手を当ててみるが、早鐘はとまりそうにない。
(――あの時、ファブリス王は何を考えていたのかしら)
アンドレアスがレオンティーナより先に処刑されたのは、重傷を負っていたからだという噂もソニアが聞かせてくれた。
下手をしたら、処刑の日まで生きていられないかもしれない。そのため、本来ならば帝国滅亡の責任を取らせるはずが、レオンティーナより先に処刑されることになった。
冷たいものが背中を流れ落ちる。彼には近づかない方がよさそうだ。
各国の代表から皇帝に祝いの品が差し出され、挨拶を終えたあとは、ダンスを始めてもいい時間になる。
広間の前方に置かれた椅子に腰かけた皇帝は、側に集まった人達と談笑していた。
今や皇妃となったケルスティンも、その側について、挨拶に訪れる者達に柔らかな笑みを向けている。
「レオンティーナ、一曲、いいかな」
「もちろん、喜んで!」
ヴィルヘルムは、レオンティーナに手を差し出した。喜んで彼の手を取り、ダンスフロアへと出る。
(――あの時、ファブリス王は何を考えていたのかしら)
アンドレアスがレオンティーナより先に処刑されたのは、重傷を負っていたからだという噂もソニアが聞かせてくれた。
下手をしたら、処刑の日まで生きていられないかもしれない。そのため、本来ならば帝国滅亡の責任を取らせるはずが、レオンティーナより先に処刑されることになった。
冷たいものが背中を流れ落ちる。彼には近づかない方がよさそうだ。
各国の代表から皇帝に祝いの品が差し出され、挨拶を終えたあとは、ダンスを始めてもいい時間になる。
広間の前方に置かれた椅子に腰かけた皇帝は、側に集まった人達と談笑していた。
今や皇妃となったケルスティンも、その側について、挨拶に訪れる者達に柔らかな笑みを向けている。
「レオンティーナ、一曲、いいかな」
「もちろん、喜んで!」
ヴィルヘルムは、レオンティーナに手を差し出した。喜んで彼の手を取り、ダンスフロアへと出る。



