悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2


 よく見てみるが、本当にその解釈でいいのかどうかもわからない。
 ただ、ゆっくりと進む彼をレオンティーナは見ていた。
 目を、離すことができなかった。
 彼と向かい合うなど恐ろしいと思っていたし、目の当たりにしたらきっと足が震えるのだろうとも思っていた。
 それなのに、現実はどうだ。レオンティーナは彼から目を離すことができないでいる。
 ゆったりとした足取り、周囲のざわめきも気にかけていないような態度。
 それは、一国の王のふるまいとして、十分ふさわしいものであった。
 多数の人の目が注がれる中、ゆったりと進んでいた彼は足を止めた。そして、何かに気付いたかのように周囲を見回す。
 彼は、いったい何を探しているのだろう。
 レオンティーナもまた、彼の視線の先にあるものを、見ようとした。
 けれど、ファブリスはレオンティーナのところでぴたりと視線をとめた。鋭い目に正面から見つめられ、思わす視線を落とす。
 先にじろじろ見ていたのは、こちらだというのに。

(どうして……)