よく見てみるが、本当にその解釈でいいのかどうかもわからない。
ただ、ゆっくりと進む彼をレオンティーナは見ていた。
目を、離すことができなかった。
彼と向かい合うなど恐ろしいと思っていたし、目の当たりにしたらきっと足が震えるのだろうとも思っていた。
それなのに、現実はどうだ。レオンティーナは彼から目を離すことができないでいる。
ゆったりとした足取り、周囲のざわめきも気にかけていないような態度。
それは、一国の王のふるまいとして、十分ふさわしいものであった。
多数の人の目が注がれる中、ゆったりと進んでいた彼は足を止めた。そして、何かに気付いたかのように周囲を見回す。
彼は、いったい何を探しているのだろう。
レオンティーナもまた、彼の視線の先にあるものを、見ようとした。
けれど、ファブリスはレオンティーナのところでぴたりと視線をとめた。鋭い目に正面から見つめられ、思わす視線を落とす。
先にじろじろ見ていたのは、こちらだというのに。
(どうして……)



