悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2

 アンドレアスもベルンハルトも、皇帝の誕生日に参加は許されていない。彼らは領地から、皇帝に誕生日の贈り物と手紙を届けてきた。

(ヴィルヘルム様達はもう、贈り物を届けられたかしら)

 バルダート大公家からは、滋(じ)養(よう)強(きょう)壮(そう)によいとされるハーブティーを誕生日の贈り物として捧げることになっている。バルダート大公領はいまやマレイモの産地であるのと同時に、質のよいハーブティーの産地になりつつあった。
 皇帝の誕生日には、各領地の特産物を捧げるというのが、現皇帝の希望だ。
 財はあっても、領地は持たないという貴族の場合は、美しい宝石やその宝石をはめ込んだ剣、美術品などが贈られるらしい。

(私の刺繍した靴下、気に入ってくださればいいのだけれど)

 レオンティーナと皇族との距離があまり近くない方がいいだろうと、領地で暮らしていた時期もあるが、今のレオンティーナは皇帝一族とは親しく行き来するようになっている。
 大公家の娘は、刺繍した品を皇帝に贈るのが習わしなのだ。これは、皇女も同じ。