御前会議で上がった議題について、最終決定を下すのは皇帝だ。この場では、議論をかわし、意見を提出しあい、貴族達の意志を皇帝に差し出すというのが主な目的となる。
「陛下に、ご報告申し上げます」
三大大公家のうちのひとつ、シャンテール大公が口火を切った。彼は、すらすらと最近の帝国の情勢について語る。
レオンティーナは注意深く、彼の言葉に耳を傾けた。
(北の方では……不作になっているのね……)
前皇妃の息子であるアンドレアスは、母の罪に連座して皇宮を追われた。今は北の方にある国境地帯ターナジアの領主となり、そこを治めている。
(アンドレアス殿下に、あの地が治められるのかしら……最近の殿下は、変わったとも思うけれど)
アンドレアスは、一度目の人生で、レオンティーナの夫であった。
政略結婚であり、彼は押しつけられた妻であるレオンティーナには見向きもせず、愛人の間を飛び回っていた。
前世では、レオンティーナだけではなく、彼の浪費もまた国を滅亡へと近づけた一(いっ)端(たん)であった。
「アンドレアスの治めている地であったな。問題はないか」
「陛下に、ご報告申し上げます」
三大大公家のうちのひとつ、シャンテール大公が口火を切った。彼は、すらすらと最近の帝国の情勢について語る。
レオンティーナは注意深く、彼の言葉に耳を傾けた。
(北の方では……不作になっているのね……)
前皇妃の息子であるアンドレアスは、母の罪に連座して皇宮を追われた。今は北の方にある国境地帯ターナジアの領主となり、そこを治めている。
(アンドレアス殿下に、あの地が治められるのかしら……最近の殿下は、変わったとも思うけれど)
アンドレアスは、一度目の人生で、レオンティーナの夫であった。
政略結婚であり、彼は押しつけられた妻であるレオンティーナには見向きもせず、愛人の間を飛び回っていた。
前世では、レオンティーナだけではなく、彼の浪費もまた国を滅亡へと近づけた一(いっ)端(たん)であった。
「アンドレアスの治めている地であったな。問題はないか」



