ヴィルヘルムは、皇帝の次に退室していたから、今日は私的な会話をかわす機会は得らなかった。御前会議の場で少し、話をしただけ。
それでも、彼の顔が見られただけで満足だと思っていたけれど――ルイーザの誘いに心が揺れる。
(今日の予定は……)
次に何をすべきだったのか、思い出すことができない。
レオンティーナが考え込んでいたら、すっと横からソニアが口を挟んだ。
「本日は、夕方面会の予定が入っております、レオンティーナ様。お屋敷での面会になりますから、それに間に合うようにお戻りになれば問題ありません」
「あ、そう……そうだった? では、ルイーザ様、よろしくお願いします」
「一緒に昼食を食べましょうよ。しばらく会っていなかったんだもの」
「では、私は屋敷に昼食はいらないと伝えてまいります。後程、ルイーザ様の部屋にうかがいますね」
ぴっと綺麗な姿勢で一礼をしたソニアは、皇宮に滞在している大公家の使用人の待機場所へと歩いて行った。屋敷に、伝言を届けてもらうためだ。
(今日の予定も思い出せないなんて、私、どうかしたのかしら)
それでも、彼の顔が見られただけで満足だと思っていたけれど――ルイーザの誘いに心が揺れる。
(今日の予定は……)
次に何をすべきだったのか、思い出すことができない。
レオンティーナが考え込んでいたら、すっと横からソニアが口を挟んだ。
「本日は、夕方面会の予定が入っております、レオンティーナ様。お屋敷での面会になりますから、それに間に合うようにお戻りになれば問題ありません」
「あ、そう……そうだった? では、ルイーザ様、よろしくお願いします」
「一緒に昼食を食べましょうよ。しばらく会っていなかったんだもの」
「では、私は屋敷に昼食はいらないと伝えてまいります。後程、ルイーザ様の部屋にうかがいますね」
ぴっと綺麗な姿勢で一礼をしたソニアは、皇宮に滞在している大公家の使用人の待機場所へと歩いて行った。屋敷に、伝言を届けてもらうためだ。
(今日の予定も思い出せないなんて、私、どうかしたのかしら)



