では、と一礼し、立ち去る伯爵夫人の後姿を見送りながらレオンティーナは考えた。
次の御前会議が成功したら、伯爵夫人と息子、それから協力者達を屋敷に招待しなくては。ハイラムにとっても、いい友人が増えることになるだろう。
(本当に、陛下のご期待を裏切らずにすんだかしら……)
皇帝が何を考えているのか、本当のところをレオンティーナが知ることなどできるはずもない。だから、皇帝の様子や、周囲の人の言葉から判断するしかなかった。
皇帝の期待を裏切らずに進むのは、綱渡りのようでもある。
(お父様は、ずっとこうしてきたのよね……)
父は、大公家の当主として、ずっとこうしてきたのだ。
自分なら、誰よりも上手にこの国を治めることができると思っていたけれど、それは、思い上がりでしかなかったのかもしれない。
考えながらも、目を上げればルイーザがこちらに向かって手を振っている。
「もう終わったのでしょう? 少し、私のところに寄っていかない?」
「ルイーザ様、このようなところで何を……」
「だから、あなたを迎えに来たの。お兄様も付き合ってくださると思うわ」
次の御前会議が成功したら、伯爵夫人と息子、それから協力者達を屋敷に招待しなくては。ハイラムにとっても、いい友人が増えることになるだろう。
(本当に、陛下のご期待を裏切らずにすんだかしら……)
皇帝が何を考えているのか、本当のところをレオンティーナが知ることなどできるはずもない。だから、皇帝の様子や、周囲の人の言葉から判断するしかなかった。
皇帝の期待を裏切らずに進むのは、綱渡りのようでもある。
(お父様は、ずっとこうしてきたのよね……)
父は、大公家の当主として、ずっとこうしてきたのだ。
自分なら、誰よりも上手にこの国を治めることができると思っていたけれど、それは、思い上がりでしかなかったのかもしれない。
考えながらも、目を上げればルイーザがこちらに向かって手を振っている。
「もう終わったのでしょう? 少し、私のところに寄っていかない?」
「ルイーザ様、このようなところで何を……」
「だから、あなたを迎えに来たの。お兄様も付き合ってくださると思うわ」



