悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2

 次の御前会議では、ターナジアの現状について報告することになった。
 レオンティーナとヴィルヘルムはふたりで協力し、報告書を作り上げ、集まった貴族達の前で報告する。
 マレイモの栽培については、残ったグラナック博士から詳細な報告書が届いている。その内容も合わせて、御前会議で発表した。
 ふたりの報告を聞いた皇帝は、目を細めた。

「今のところ、アンドレアスはよく働いているのだな?」
「はい、父上。兄上は民のために一生懸命になっていると思いました」
「レオンティーナ。そなたはどう思う?」
「そ、そうですね……」

 皇帝から話しかけられると思っていなかったので、簡単に動揺してしまった。けれど、すぐに気持ちを切り替える。

「殿下は……殿下は、大変頑張っていらっしゃると思います。グラナック博士にも、熱心に質問をなさり、マレイモの栽培方法をご自分のものにしようとしていました」
「そうか」

 レオンティーナの報告に、皇帝は満足したように目を細める。

「ふたりともご苦労であった。次も励むがよい」

 皇帝からありがたいお言葉を賜り、ふたりそろって頭を下げる。