悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2

「お疲れのご様子でしたから。身体には、気持ちも出るのだそうです。揉み治療の専門家になると、身体のどこが疲れているのか触れればわかるし、どんな筋肉の付き方をしているのか、ということである程度仕事がわかるそうです」
「そうなの? それは知らなかったわ」
「旦那様は机に座ってのお仕事が多いですから、肩や腰に負担が来ます。奥様は、お膝にハイラム様を抱き上げることが多く、腕がお疲れのことが多いですね。ハイラム様を持ち上げるのに、腕を使っているのでしょう」
「え? え? あなた、お父様とお母様まで揉んだの?」
「はい、喜んでくださいました。お役に立ててよかったです」

 レオンティーナは目を丸くした。
 養護施設から引き取られたソニアが、レオンティーナだけではなく、レオンティーナに仕えることを許した両親にも感謝しているのは知っていた。だが、レオンティーナの知らないところで、そこまで両親に尽くしていたとは。

「マッサージの間お話をさせていただいたのですが、殿下がおっしゃるには、レオンティーナ様に感謝している、と」
「……え?」