悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2

 不用意な発言を、さらりと彼女は受け流してくれた。まだ、自分は子供なのだと目の当たりに突き付けられたような気がする。

(それに、彼女は国が滅びないようぎりぎりまで努力を続けたはずだわ。私はまだ、この人にはかなわない)

 いつか、彼女と肩を並べて話せる――そんな日が来るのだろうか。

「ああ、そろそろ始まるね。しっかりやるんだよ」
「はい、お父様」

 それぞれに定められた席につく。レオンティーナはバルダート大公家の娘ではあるけれど、今日はルーディア伯爵として参加している。
 会場までは父と一緒でも、ここからは父とは離れた席に着席することになる。
 会場内には、長いテーブルが三台置かれている。一番前、皇帝の席に一番近い場所に座るのは三大大公家と、公爵家だ。
 真ん中のテーブルが侯爵、伯爵の高位貴族。そして、端のテーブルが、子爵男爵であった。それぞれのテーブルは、重要視されている者が皇帝からよく見える位置を与えられている。
 今回レオンティーナは初めての参加であることから、一番目立たない場所だった。

「皇帝陛下、ヴィルヘルム殿下、ギルベルト殿下のご入場です」