「レオンティーナ様は、何をお考えなのですか?」
「アンドレアス殿下が、何も動きを見せないのが不気味だと考えていたの」
行儀は悪いが、紅茶のカップを両手で包み込むようにして口に運びながら続ける。手にじんわりと伝わってくる紅茶の熱が、がちがちになっていた思考を緩めてくれるようだ。
「今ではないのかもしれませんよ?」
「というと?」
「グラナック博士のマレイモ栽培が軌道に乗るまでおとなしくしているだけかもしれません。二年三年かかるならば話は別ですが、年に三度収穫できますもの。何をするにしても、食料はまず必要でしょうが、マレイモなら来年には十分な量を集められるかもしれません」
ソニアの言葉にも一理あるかもしれない。
レオンティーナとヴィルヘルムが、ターナジアを訪れたのは、アンドレアスから食糧援助を求められてのことだった。
マレイモの栽培は、すぐに結果を出すことができる。何か行動を起こすにしても、まずは食料の確保をしてからと考えたのかもしれなかった。
「単にアンドレアス殿下には余裕がないだけかもしれませんけれど――ずいぶんお疲れのように見えましたもの」
「そう?」
「アンドレアス殿下が、何も動きを見せないのが不気味だと考えていたの」
行儀は悪いが、紅茶のカップを両手で包み込むようにして口に運びながら続ける。手にじんわりと伝わってくる紅茶の熱が、がちがちになっていた思考を緩めてくれるようだ。
「今ではないのかもしれませんよ?」
「というと?」
「グラナック博士のマレイモ栽培が軌道に乗るまでおとなしくしているだけかもしれません。二年三年かかるならば話は別ですが、年に三度収穫できますもの。何をするにしても、食料はまず必要でしょうが、マレイモなら来年には十分な量を集められるかもしれません」
ソニアの言葉にも一理あるかもしれない。
レオンティーナとヴィルヘルムが、ターナジアを訪れたのは、アンドレアスから食糧援助を求められてのことだった。
マレイモの栽培は、すぐに結果を出すことができる。何か行動を起こすにしても、まずは食料の確保をしてからと考えたのかもしれなかった。
「単にアンドレアス殿下には余裕がないだけかもしれませんけれど――ずいぶんお疲れのように見えましたもの」
「そう?」



