悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2

 にっこりと微笑む彼女は、レオンティーナの不用意な発言を、本当に気にしていないようだ。

「同じように参加している方は他にもいらっしゃるわよ。あちらの女性は、ご主人が病でふせって代理でいらっしゃっているの。それから、あちらの女性は、ご両親の爵位を継がれた方。でも、自分が爵位を持つ女性の人数は多くないのよ。参加者の数もね」

 伯爵夫人の言葉に視線を巡らせてみれば、女性の数は、たしかに多くはない。
爵位を継承できるのは、基本的には男性だけだ。多大な功績により、女性の継承を認めている例もあるが、記録に残されているのはほんの数例。この場に集まっている女性は、レオンティーナが見る限り、男性の十分の一にも満たない数ではないだろうか。

「私達、自ら爵位を賜るだけの功績を上げたあなたに興味津々なの。よかったら、今度お茶にいらして」
「ありがとうございます」

 それから父ともう一言二言会話をし、伯爵夫人はさっそうと立ち去る。レオンティーナは彼女の後姿をじっと見つめた。

「どうしたんだい、ティーナ」
「ユエラ伯爵夫人って、素敵な方ね」