父に紹介され、レオンティーナは頭を下げる。彼女の目はますます細くなった。
「会議の場には、女性が少ないから心強いわ」
「伯爵夫人が参加なさるのですか?」
御前会議に参加するのは、基本的には自ら爵位を持つ者だけのはずなのだが……。
「あ、いえ……失礼しました! ご無礼な発言を……申し訳ありません……!」
ユエラ伯爵家は、二年前に当主を失っていることを、今思い出し、慌てて頭を下げる。
現在の当主はまだ四歳。母である伯爵夫人が、成人までの間伯爵代理を務めている。前世でも、何度か会話したことがあったが、非常に有能な女性であったように記憶している。
その有能さえ故、国の滅亡にいち早く気づき、早い時期に息子を亡命させ、自分も帝国の滅亡は防げないと判断したのちは速やかにこの国を去ったということも今思い出した。
前世の記憶ももとにしながら、帝国の主だった貴族の情報は頭の中に入れているはずなのに、いざという時には出てこないものらしい。
「いえ、気にしないで。たしかに夫を亡くしたのは悲しかったけれど、今はそれ以上に充実しているの。息子を育てないといけないものね」
「会議の場には、女性が少ないから心強いわ」
「伯爵夫人が参加なさるのですか?」
御前会議に参加するのは、基本的には自ら爵位を持つ者だけのはずなのだが……。
「あ、いえ……失礼しました! ご無礼な発言を……申し訳ありません……!」
ユエラ伯爵家は、二年前に当主を失っていることを、今思い出し、慌てて頭を下げる。
現在の当主はまだ四歳。母である伯爵夫人が、成人までの間伯爵代理を務めている。前世でも、何度か会話したことがあったが、非常に有能な女性であったように記憶している。
その有能さえ故、国の滅亡にいち早く気づき、早い時期に息子を亡命させ、自分も帝国の滅亡は防げないと判断したのちは速やかにこの国を去ったということも今思い出した。
前世の記憶ももとにしながら、帝国の主だった貴族の情報は頭の中に入れているはずなのに、いざという時には出てこないものらしい。
「いえ、気にしないで。たしかに夫を亡くしたのは悲しかったけれど、今はそれ以上に充実しているの。息子を育てないといけないものね」



