悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2

「そうですね……特に、口を出したつもりはなかったのですけれど。自然とそうなっていた――というか」

 だが、こんな説明では、アンドレアスを納得させることはできない。どう話せば納得してくれるだろうと考えながら、レオンティーナは話を続けた。

「子供の頃、気まぐれで養護施設を見に行ったことがあるんです。そして、そこで私は予想していなかった光景を目の当たりにすることになりました」

 一応洗濯はしてあるのだろうが、ぼろぼろの衣服をまとった子供。皆小柄で、当時十一歳だったソニアも、年齢より幼く見えた。
 それに引き換え、いい品を身に着け、実年齢より若々しく見えた施設長。単なる役人が身に着けるには、あまりにも高価な装飾品さえつけていた。
 施設長は身に着ける品を慎重に選んでいたから、彼女の身に着けている品が、高価な品であるなんて誰も気づかなかっただろう。服だって、上質な布を使っていても、目立たない地味なデザインのものだった。
 例外はレオンティーナだけ。それだって、前世での知識があったからできたことだ。