「お前は、なぜ政治に口を出す? 女の身で、今まで口を出したものはいなかっただろう」
「――女大公は過去に例がありましたよ、殿下」
実際、バルダート大公家は、祖父の母、つまり曾祖母が大公位を継いでいた。夫が亡くなった時、跡取りである息子がまだ三歳だったからだ。
息子を大公とし、後見として立つという手もあったが、皇女が降嫁したという事情もあり、成人までの間大公位を預かるという形で継いだそうだ。
皇帝一族の出身であるアンドレアスは、もちろんそのあたりの事情も知っているだろう。けれど、彼はふんと鼻で笑っただけだった。
「それは、あくまでもつなぎ。政治的な面で大きな働きをしたというわけではない。息子が成人するまでの間、その地位を守ったというだけの話だからな」
レオンティーナは感嘆した。
アンドレアスは、そのあたりの事情もくみ取った上でレオンティーナに声をかけてきたらしい。
(……だからと言って、アンドレアス殿下に素直に事情を話すわけにもいかないけれど……)
レオンティーナは、顎に手を当てた。
「――女大公は過去に例がありましたよ、殿下」
実際、バルダート大公家は、祖父の母、つまり曾祖母が大公位を継いでいた。夫が亡くなった時、跡取りである息子がまだ三歳だったからだ。
息子を大公とし、後見として立つという手もあったが、皇女が降嫁したという事情もあり、成人までの間大公位を預かるという形で継いだそうだ。
皇帝一族の出身であるアンドレアスは、もちろんそのあたりの事情も知っているだろう。けれど、彼はふんと鼻で笑っただけだった。
「それは、あくまでもつなぎ。政治的な面で大きな働きをしたというわけではない。息子が成人するまでの間、その地位を守ったというだけの話だからな」
レオンティーナは感嘆した。
アンドレアスは、そのあたりの事情もくみ取った上でレオンティーナに声をかけてきたらしい。
(……だからと言って、アンドレアス殿下に素直に事情を話すわけにもいかないけれど……)
レオンティーナは、顎に手を当てた。



