出かけているヴィルヘルムは、明日には戻ってくる予定だ。彼にも話をしておいた方がいいかもしれない。
うーんと思いきり背伸びをして、身体をほぐす。ずっと同じ姿勢でテーブルの上にかがみこんでいたものだから、身体がかちかちになっていた。
「レオンティーナ、まだ、ここにいたのか」
午後に部屋に入ってきた時と同様、ふらりとアンドレアスが入ってくる。レオンティーナは、恭(うやうや)しく頭を下げた。
「もう、戻ります。明日もありますし……」
「そうか」
アンドレアスは開いた扉にもたれるようにしてこちらを見ている。レオンティーナは、困ってしまった。
この部屋には扉が一か所にしかない。つまり、アンドレアスの脇を通らなければ、外に出ることができないのだ。
「ひとつ、教えろ」
「なんでしょう、殿下」
命令口調で彼は言う。何を問われるのかとレオンティーナは身構えた。
こちらを見ている彼の目に浮かんでいるのは、値踏みするようなそんな色。前世でも今世でも、彼とはあまりいい関係とは言い難かったから、どう対応したらいいものかわからなくなる。
うーんと思いきり背伸びをして、身体をほぐす。ずっと同じ姿勢でテーブルの上にかがみこんでいたものだから、身体がかちかちになっていた。
「レオンティーナ、まだ、ここにいたのか」
午後に部屋に入ってきた時と同様、ふらりとアンドレアスが入ってくる。レオンティーナは、恭(うやうや)しく頭を下げた。
「もう、戻ります。明日もありますし……」
「そうか」
アンドレアスは開いた扉にもたれるようにしてこちらを見ている。レオンティーナは、困ってしまった。
この部屋には扉が一か所にしかない。つまり、アンドレアスの脇を通らなければ、外に出ることができないのだ。
「ひとつ、教えろ」
「なんでしょう、殿下」
命令口調で彼は言う。何を問われるのかとレオンティーナは身構えた。
こちらを見ている彼の目に浮かんでいるのは、値踏みするようなそんな色。前世でも今世でも、彼とはあまりいい関係とは言い難かったから、どう対応したらいいものかわからなくなる。



