「滅相もございません。私は一般の高校生ですよ」
「ちょっと、そのかっこでその口調止めてよ!あ、でもそれはそれでいいのか?」
そのかっこ、つまり、柊斗がバリバリに着崩しているあの制服姿。
私が二度会ったあの柊斗だった。
「ねえ、お願い?いつもの口調で美桜に話してみてよ」
「ですが…」
「これは命令だよ!」
「……かしこまりました」
柊斗はすうっと息を吸って、あの口調で話し始めた。
「美桜、これどう?」
「は、はい!?え、えっと、これってなんですか…?」
「何って、制服姿に決まってんだろ。似合ってるかって聞いてんの」
「に、似合ってるわよ?」
「本当かよ」
「うん、ほんと。その柊斗、すごく格好いい」
「そ、そっか。ありがと」



