完全に扉が閉まりきると腰が抜けたように床に座り込んだ。
どうしましょう。
私、恥ずかしいことを口走った挙げ句、とんでもないことをしてもらったんじゃ…。
本当に有栖川の名に恥じることをしてしまいました。
とてもじゃないですけど、お父様に顔向け出来ないわ。
それに柊斗のことも散々困らせてしまった。
私の謎感情のせいで柊斗が好きでもない私に口づけを。
ああ恥ずかしい!!!
私ったらどうしかしてた。
「ごめん、柊斗………」
「お嬢様」
「は、はい!?」
自室に戻ったはずの柊斗がなんで!?
私は動揺していることを悟られないように平然を装った。
「どうしたの?」
「旦那様がお呼びです」
「分かったわ」
柊斗との用事ではなくてよかったわ。
ドキドキしすぎて気が動転してしまうもの。
それはそうとお父様は私に何の用かしら?



