「しゅ、……っと……」
一度息を吸おうと思ったらまた塞がれを繰り返していた。
一体どれくらい口づけしているのかしら。
「……っ、ん、あっ………ぁ……しゅ、」
柊斗、もう大丈夫、と言おうとした時、やっと解放された。
私を愛おしいとでも言うかのような柔らかな顔をしていた。
「なあ、そんな顔で見んなよ…またしたくなるだろ?」
ひんやりとした手が私の頬をなぞる。
私はそれに擦りよって、柊斗を見上げた。
「だめなの?」
「っ、頼むからやめてくれ。俺の理性壊す気か?」
柊斗の親指が私の唇に触れた。
そして先の口づけを上書きするかのようになぞって、潤んだ唇を拭った。
「………それでは失礼します」
パタンと扉が閉まる。
私は柊斗の後ろ姿をただ見送るしか出来なかった。



