柊斗は溜め息をついた。


「お嬢様の無自覚で鈍感な所には本当に参ります。多少はご自分の立場というものを理解していただきたいものです」

「私のどこが無自覚で鈍感だって言うの」


さらに柊斗は大きな溜め息をついた。

また溜め息。

そんなに私に呆れているの?


「…とても魅力的で美しいですが、どこか純粋な可愛らしさを秘めた容姿。世間知らずの純粋無垢でお優しい性格――」

「――す、ストップ!…も、もう、分かったから……えっと、もうやめて…」

「かしこまりました」


いきなり私のことを褒めてきて何がしたいの!?

もちろん嬉しいのだけど、やっぱり恥ずかしさが出てくる。


「とにかく私が言いたいのは、そんなお嬢様に男性の理性が飛ぶような言動はやめて頂きたいと言うことです」

「は、はあ……」


理性とかはよく分からなかった。

そんな言動って何なのでしょう。