どれもこれも悲痛な胸の叫びなのかもしれませんね。
「皆さん、お止めください。今ならまだ大丈夫です。さあ橘様に返しましょう」
私はそのご令嬢の手を握った。
すると、その方は私を睨んで、思いっきり手をはね除けた。
「あなたに何が分かるって言うの!!いつも周りからちやほやされて欲しいものは手に入るあなたには私の気持ちなんて何も分からないわよ!!」
ショックだった。
そんなことを言われると思わなかったし、そう思われているとも考えもしなかったから。
「そうですよね。ごめんなさい…」
涙が溢れそうだった。
私がこんなんだから友達が出来ないのね。
「ふざけるのも大概にしろー!!」
扉を勢いよく開けて入ってきたのは、準備を終えた優花さんだった。
「逆にさ、あなたに美桜ちゃんの何が分かるのよ!決めつけで美桜ちゃんを傷つけないで!!」



