オフィスラブはじまってました

 もうくしゃみは出なかった。

 柚月は、よし、というように頷き、押入れから毛布を持ってくる。

 ひなとにかけ、訊いてきた。

「もう一度、脱がしていいか」

 生真面目に訊いてくる柚月の顔に、ひなとは、つい、笑ってしまう。

「柚月さん……」

 なんだ? と柚月が不安げにひなとの表情を伺う。

「柚月さんっ、……大好きですっ!」

 ミノムシのまま、ひなとは思いの丈をぶつけるように告白し、柚月の胸に頭突きを食らわす勢いで突っ込んだ。



                       完