オフィスラブはじまってました

「会社の秘書室に行くと、立派な襖がありまして。
 襖を開けると、鈴のついた紐が下がっていて。

 それを引っ張ると、忘年会がはじまって。

 社長や専務たちを従えた春日さんに、
『苦しゅうない、(ちこ)う寄れ』
と言われる夢だったんですよ。

 春日さんが隣だとと落ち着けないって言う人もいるんですけど。
 瑠美子さんとか。

 でも、私はぜひ、宴会で隣の席になって、入社したての柚月さんのお話を伺いたいです」

「それはやめてくれ……」
と怯えたように柚月が言った。