今日の寝袋重い……と思いながら、ひなとが目を覚ますと、重かったのは寝袋ではなかった。
寝袋に入ってミノムシ状態の自分を後ろから柚月が抱きしめたまま寝ていたのだ。
ゆ、柚月さんが寝袋に入っていませんっ。
まだまだ寒いですよっ、とひなとは、なんとか柚月が下に敷いている寝袋をかけてやろうとするが、引っ張っても動かないし、そもそも柚月に強く抱きしめられていて動けない。
いや、どうしたらっ?
とわたわたしていると、
「……起きたのか?」
と耳許で声がした。
ゆ、柚月さん、いい声ですね、相変わらず。
耳許で話されると、ゾクゾクしてしまうのですが……とひなとは赤くなったが。
目を覚ましても、柚月はひなとを離さない。



