オフィスラブはじまってました

 少なくとも、惟子は、ぱっと見、華やかで仕事ができそうなOLに見える。

 あの積極性が見た目にも出ているのではないだろうかと思っていた。

 いつもなんとなく後ろに下がっていってしまう自分とは大違いだ、とひなとは思う。

 ……まあ、所詮、私はハムスター。

 部屋の隅でカリカリ、ひまわりのタネかじってる方が落ち着くんだけど。

 などと思いながら、玄関ロビーに入ると、何故か春日局と社食でよく春日局が一緒にいる人たちが仁王立ちで待っていた。

 ……澄子さんといい、何故、この手の人たちは仁王立ちなのだ、と思ったとき、その中のひとりが入野の前に進み出た。

「お待ちしておりました、入野さんっ。
 早速、工場にご案内いたしますっ」

「あら、なに言ってんのよ。
 喫茶でお茶でも差し上げなさいよ」
と春日が彼女に言う。