ひなとたちは江戸文学の女こと吉祥寺惟子とバスを降りた。
ちなみに、入野は最終チェックで取材内容に確認したいことがあると言って、会社まで出向いてきたようだった。
というか、電話ですむような内容だったのだが、担当の女性に、
『ぜひ、もう一度、確認のためにも工場にっ。
ぜひっ』
と言われ、やってきたらしい。
……それたぶん、取材関係ないよな~とひなとは思う。
今日は柚月も一緒なので、さすがの入野も降りる場所を間違えたりはしなかった。
「はい、入野さん、降りますよ」
はいはい、おじいちゃん此処ですよ、という介護士の方かバスガイドさんのような感じで、ぼんやりした入野を柚月が導く。
それにひなとたちもぞろぞろとついて行った。



