オフィスラブはじまってました

「そういえば、こいつは昔からハムスター程度の知能しかなくてな」
とそこでいきなり秀治は、ひなとを罵り始めた。

「ちっちゃなとき、リビングでお友だちに手紙を書いてたひなとがこっちを見上げて訊いてきたんだ。

『最後にお名前書くときって、なんて書くんだっけ？
　ビー、ユー、ひなと？』

　それだと、ブーだ！
　byだろうが、ひなとよっ」
と秀治は今そこで、ひなとがそう言ったかのように叫んだあとで、

「そんな可愛い妹なんだよっ、大事にしてやってくれっ、柚月っ」
と言って、柚月の両手を握る。

　いや、今の話で大事にしてもらえるだろうか……とひなとは危(あや)ぶんだが、何故か柚月は、

「わかりましたっ」
と言って、秀治の手を握り返していた。

　いや、わからないで、柚月さんっ！