それにしてもヤバイ、とひなとはつやつやにコーティングされた上品な黄金色のケーキにフォークを突き刺しながら思う。
柚月さん、お兄ちゃんと身内になりたいがために、私と結婚しそうな勢いなんだが……。
乙女としては、なにやら不本意なりっ、と思っていると、柚月は秀治に、子どもの頃もらったハムスターの椅子の礼を言いはじめた。
そして、心の中で、ひなとをハムスターと呼んでいることまで明かしはじめる。
いや、そこは明かさなくていいです……と思うひなとの前で、秀治が、
「そうかそうか。
俺の椅子がお前のうちに。
そして、その椅子のハムスターのせいで、お前がひなとを好ましく思って、今、此処にいるわけか。
運命だな」
と頷いていたが。
いや、それだと、私じゃなくて、おにいちゃんとの運命なのでは……、とひなとは思う。
柚月さん、お兄ちゃんと身内になりたいがために、私と結婚しそうな勢いなんだが……。
乙女としては、なにやら不本意なりっ、と思っていると、柚月は秀治に、子どもの頃もらったハムスターの椅子の礼を言いはじめた。
そして、心の中で、ひなとをハムスターと呼んでいることまで明かしはじめる。
いや、そこは明かさなくていいです……と思うひなとの前で、秀治が、
「そうかそうか。
俺の椅子がお前のうちに。
そして、その椅子のハムスターのせいで、お前がひなとを好ましく思って、今、此処にいるわけか。
運命だな」
と頷いていたが。
いや、それだと、私じゃなくて、おにいちゃんとの運命なのでは……、とひなとは思う。



