天にわしわすカメラのワニが此処にいる……。
危険だ、とひなとはリビングで兄と語らう柚月を見ていた。
出会う前から、兄、秀治のキャンプ道具やなにかに心酔し、話したこともないのに、
「お兄さんは違いのわかる人だから」
とのたまっていた柚月は今や秀治を神のように崇め、秀治の虜となっていた。
……一応、女である私より、兄の虜になってしまうのが、なんだか納得いかないのですが。
そういえば、柚月さんは子どもの頃も、兄のハムスターの椅子の虜になってましたもんね、とひなとは、ちょっと寂しく、男の友情を育む二人を眺めていた。



