「何故、もっと早く言わないのっ」
「いや、さっき急に決まったんで……」
と柚月が言い終わらないうちに、比呂子は落ち着かなげに歩き回りながら、電話をかけはじめる。
「あ、もしもし?
比呂子です。
ごめんなさい。
いつものケーキある?
じゃ、ホールでお願いします。
柚月に寄らせるから渡してやって」
そして、電話を切った比呂子は今度は、メイドの安田に、
「安田さん、この間のワイン持ってきて」
と命じる。
「もちろん、ちゃんと包んでね」
と比呂子が言うと、何故か安田も張り切り、
「この間、講習会で素敵なワインの包み方習ったんですよ」
と言って、少し柄の入ったショコラ色の風呂敷をワインとともに持ってきた。
「ひなと様、この風呂敷、差し上げますので、お返しくださらなくて結構ですから」
と言いながら、安田はその新品の風呂敷でワインを小器用に包みはじめる。
「いや、さっき急に決まったんで……」
と柚月が言い終わらないうちに、比呂子は落ち着かなげに歩き回りながら、電話をかけはじめる。
「あ、もしもし?
比呂子です。
ごめんなさい。
いつものケーキある?
じゃ、ホールでお願いします。
柚月に寄らせるから渡してやって」
そして、電話を切った比呂子は今度は、メイドの安田に、
「安田さん、この間のワイン持ってきて」
と命じる。
「もちろん、ちゃんと包んでね」
と比呂子が言うと、何故か安田も張り切り、
「この間、講習会で素敵なワインの包み方習ったんですよ」
と言って、少し柄の入ったショコラ色の風呂敷をワインとともに持ってきた。
「ひなと様、この風呂敷、差し上げますので、お返しくださらなくて結構ですから」
と言いながら、安田はその新品の風呂敷でワインを小器用に包みはじめる。