オフィスラブはじまってました

 


 俺は魚ではない、とひなとの視線を受けて、柚月は思っていた。

 いや、ひなとのことだから、なにも考えずに目を合わせただけなのだろうが。

 ……別に俺はお前のことを好きなわけではない。

 いや、ほんとうに。

 気が合うし、一緒にいて楽しいから、なんとなく共に過ごすようになるだけだ、と思ったあとで、柚月は渋い顔をしてしまう。

 それにしても、意外だ。
 こいつ、結構モテるじゃないか。

 それも、感じのいいイケメン様に。

 いやまあ、今日話して、ちょっと田中さんのイメージ、変わってしまったんだが。

 それでも、男の目から見ても、爽やかで格好いい人のように見えるのに、と思ったとき、

「見事に焼け落ちてますね~」
とひなとがかつて住んでいたアパートを見て言った。