そのあと、田中と森崎はふたりで映画を見に行くと行って、遊びに行ってしまい、ひなとと柚月はなんとなくふたりでブランチを作ることにした。
……ブランチとか言うと、格好よく聞こえるが、単に田中の騒動で、朝ごはんを食べそびれただけなのだが。
田中は去り際に言っていた。
「まあ、なにもかも遠い過去の話だ。
突然、遠い過去が鼻歌歌いながらやってきて、後頭部を殴りつけてきたような衝撃を今、受けてはいるが、問題ない」
いや、その例えが怖くて、なにも問題ないようには聞こえないんですが、とひなとが固まっていると、田中は真面目な顔で、ひなとを見、
「ともかく、今は問題ない。
だから、今度、焼肉やるときは入れてくれ」
と言ってきた。
最後のところが一番言いたかったことのような気がするな、と思いながら、ひなとと柚月は商店街に向かって歩いていた。
ひなとが以前住んでいたところの商店街だ。



