オフィスラブはじまってました

 田中は腕を組み、嫌な記憶をたどるように渋い顔をする。

「あのとき、たまたま美術室で俺たちは二人きりになって。
 今がチャンスだと思った。

 だが、ひなとは言ったんだ。

 ……勇気を振り絞り、告白した俺に向かい、
『何様ですか』
と。

 あれから卒業まで、俺は、ひなとを避けて暮らした」

 しんとなる。

 柚月が何故か青ざめ、ひなとに言った。

「……お前は何様だ」

「いや、だから違いますよ……」
とひなとも青ざめて言う。

「そ、その記憶には誤りがあります」
と――。