オフィスラブはじまってました

「いや、そうじゃないんだけど。
 緒方さんが日本の警察官の格好だったら、紛らわしいし、警察に職質受けそうだからやめろって言うから」

「そうなんですか」
と言いながらたどり着いた一番東側の部屋のチャイムを鳴らす。

 返事はなかった。

「……お忙しいんですかね?」

「寝てるのかもね。
 僕は見たことないんだよね、この部屋の人。

 ひなとちゃんの前に越して来られたんだけど。
 忙しい職業の人なのか、あんまり明かりもついてないよ」

「へえー、そうなんですか」
と言いながら、新聞受けにアルミホイルを入れようとして、やめる。

「すみません。
 ちょっと取ってきます」
と言って、付箋を取ってくると、

『101に越してきました秋本です。
 よろしくお願いします』
と書いて貼り付けた。

 ことん、とアルミホイルとラップの包みを入れる。