オフィスラブはじまってました

 しかし、あの光景の異様さを助長していたのは、柚月さんのような気がするが……、とほっこりする味の柔らかいキャベツを食べながら、ひなとは思う。

 柚月が動じず無心に火を見ていたせいで、これは霊か幻か、と思ってしまったのだ。

 そんなことを考えていたひなとは、
「あれっ?」
と気がついた。

 柚月の後ろにある隣の庭に、部屋からの明かりがもれているようだ、と。

「今日は柚月さんのお隣さんいらっしゃるんですね」
と言うと、柚月は振り返り、

「ああ、田中さんか。
 外に出て来られたら、誘ってみようかなと思ってたんだが」
と言う。

「今、アルミホイル持ってったら、ご迷惑ですかね?」

「どうだろう。
 電気ついてるし。

 このままお前がアルミホイルにとり憑かれてるのもなんだから、行ってみるか?

 お忙しいようだったら、新聞受けに入れて帰ればいい」

「そうですね。
 そうします」
とひなとが言うと、柚月が、

「ちょっと待て。
 ついて行こう」
と立ち上がろうとした。