オフィスラブはじまってました

「は、はい。
 あ、いえ……」
と動揺して言ってしまい、

「どっちなんだ……」
と眉をひそめられる。

 よく見ると、そのお巡りさんはとても綺麗な顔をしていた。

 難しい顔をして、柚月の背を見つめていたその警官は、突然、穏やかに笑い出し、スマホになにかメモし始める。

 その様子に確信した。

「……入野さん。
 入野さんじゃないですか」
とひなとは呟く。

 いや、入野だろうとは頭の中の冷静な部分では思っていたのだが。

 帰ってきて、いきなり見た光景があまりにもあれだったので、動揺してしまい、柚月の守護霊、まで発想が行ってしまったのだ。

「食べてないんなら、皿と箸と自分が呑む酒持ってこい」
と柚月に言われ、はいっ、とひなとは部屋に駆け込んだ。