「おはようっ」 十時過ぎ、書類が回収できてない部署に行こうとひなとが部署から出ると、そう勢いよく声をかけてきた女がいた。 ウェーブのついた茶がかった肩までの髪。 ちょっぴり目許がきつい、この人は…… この人は、何処かで見た人だ……、と思っていると、その女は噛みつくように言ってきた。 「私が誰だか忘れてるわねっ、人事の新人っ」 その言葉に思い出したひなとは、ああ、と手を打つ。 「江戸文学に興味のある人!」 「ないわよっ」