オフィスラブはじまってました

「いや、ちょうどクリーニングに出そうと思ってたとこだし。
 この格好だと、此処で肉焼いてても、近隣住民が文句言ってこないかなと思って。

 ありがたい感じがしないか?」

 ……しない気がしますね。

 でもまあ、入野さんもスーツ姿ですしね、と思いながら、ひなとは柚月と入野が肉を焼くのを眺めていた。

 時折、炭に脂が落ち、脂の焦げる音とともに、なんとも言えない香ばしい香りが辺りに漂う。

 近隣住民の方々が文句を言いに、ではなく、箸とビールを持ってやってきそうだ、とひなとは思った。