水橋の物言いは軽く感じることも多いが、あんな風に軽やかに生きてみたいなと思うこともある。

 軽やかという言葉で、なんとなく、ひなとを思い出していた。

 ……いや、あいつは、軽やかを飛び越えてるな。

 学生気分を引きずっているからというわけでもないようだし。

 元々の性格だろうかな。

 っていうか、おでんしか作ったことない鍋って、あいつ、おでん作れたのか……。

 おでんの素入れて作ってるんだな、きっと、と勝手に結論づけ、柚月は自分の部署に向かった。